皆さんこんにちは。南大阪在住、ブログの管理人「カズ」です。九州各地で、被害に遭われた方にお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復興を祈念いたします。長野県の遠山郷、秋葉街道シリーズの3回目です。この文章の最終の奥書は2010年4月1日となっています。なお、毎回、申しておりますが、父親が過去記録した旅行記を息子の私がブログという形で皆さんに公表しています。現在と状況が変わっている可能性があることをご了解ください。
10月3日、第2日は釜沢から奥に入って、御所平に到着した。当初、釜沢から少し下ると小渋川岸に釜沢温泉「荒川荘」があり、夏場だけの営業と承知していたが、御所平方面への分岐点では、工事のため通行できず、車輌の通行可能な御所平へ足を伸ばした。鋪装の出来た道路は此所までだった。余り広くない平地に宗良親王が長年月生活した住居跡と建物がある。茅葺の粗末なものだった。後醍醐天皇の激しい権力欲と闘争心は、以前から書物にされているが、この信州の深い山奥で、30年余の期間、南朝のために尽力した親王に脱帽する。ちなみに御所平の先は、原生林と断崖と深い渓谷と思われる。正面に小河内岳が座しているようだが、どの山も立派で堂々としていて、私には名前は解らない。
Uターンした私達は、小渋橋まで引き返す。釜沢近くだったと思うが、唯の一度だけ、軽トラックに乗った人と出会った。山仕事の人かも知れない。当方も小型のトラックであり、何か怪訝そうな顔で見ている様子だった。
地蔵峠までの道は、杖突峠までと比較して、道幅も広く走りやすかった。近年の工事で随分改良されたらしい。深山幽谷の道に変わりないが、外界が明るくなったようだ。道路脇の背高い樹木の側に、赤い帽子を被ったお地蔵さんが祀られている。殆ど道行く人影も無い峠道で、道中の安全を護ってくださる有り難いお地蔵さんに私達も旅の安泰を祈願する。峠から遙かに大鹿方面の山々を遠望できる。
舗装された道路はここで途切れる。峠から営林署が切り開いた蛇洞沢林道を進む。雑木林を切り開いて通したと思われる狭い道だった。カーブの多い下り坂を行くと、しらびそ峠への分岐に到る。私達は此所から左折して、標高1,833メートルのしらびそ高原を目指す。今度はまた急な登り坂に変わる。秋の訪れであろう。谷間の流れを堰き止めるような巨岩を覆うように、紅葉した木々も見えるし、道路の脇には小さな花をつけた草木が拡がっている。
しらびそ高原は、この深い山中に開けたかなり広い平地である。眼前に拡がる南アルプスの諸峰は、荒川岳、赤石岳、聖岳、上河内岳、茶臼岳等々と3,000メートル級の素晴らしい峰々である。残念ながら私には、どの峰が何岳かは承知しないが、雄大な大パノラマは感動的である。しらびそ高原の名の通り、附近には樹皮が灰白色で針葉樹の20メートル以上も高木の「しらびそ」が沢山見られる。高原の一角にハイカラな建物の宿泊施設「ハイランドしらびそ」もあり、私達は此所で昼食をとった。時間的に余裕があれば、附近の林道を少し散策してみたかったが、割愛せざるを得なかった。
下栗の里へは、南アルプスエコーラインを利用することにした。約14㎞の山岳ドライブコースである。連山を眺めながら走る雲上のコースである。下栗の里には、丁度裏から入るようなコースである。上村は、国道256号に沿って、程野、中郷、上町と集落が続くが、下栗地区は街道から離れて、標高1,000メートルの高地にある。南向きの斜面に位置していて、陽当たりは良い。しかし、驚くほどというより、恐ろしい急斜面に民家がへばりつくように建っている。家は点在しており、耕作は壁に向かってするかの感じである。大豆、小豆、栗、蕎麦、二度芋(にどいも)、赤石茶等々多種類の作物が栽培されている。人手が頼りの農作業は極めて過酷である。振り向けば、南アルプスを源流とする遠山川の渓谷と、大自然の雄大な眺めが、前面に展開しているが、狭隘で悪条件な農地をめぐる家族の人間関係、はたまた陸の孤島と呼ばれる僻地の生活は、実に複雑で怪奇な諸問題を秘めてきたと思われる。
観光目当ての私達にとって、その例えようもない視界、被写体として申し分の無い素晴らしい景観が其処に連続するが、当地の生活者の思いを忘れて、いたずらに観光会社の餌食に甘んじて良いのだろうか。
下栗から急なカーブの坂道を下って、上町八幡社付近で国道に合流する。上村、南信濃村にも立ち寄りたいところは多いが、実はこの日の宿泊は、静岡県引佐町に予約しており、和田の街並も表面だけしか見ることは出来なかった。八重河内で、偶然、梁木島番所を訪れていた訪問者と一緒になり、写真を撮ってもらった。大坂夏の陣で破れた残党を取り締まるために設けられたと言い、後には桧等の材木の取り扱いも厳しかったようだ。
国道152号線は青崩峠で通行不能となる。名の如く、地盤は弱く、崖崩れが激しくて、道路工事も不可能のようだ。約400年の昔、武田信玄の遠州攻めの際、大軍が越えたと伝える兵越峠へ迂回して、僻遠の峠を通過する。峠は1,300メートルの高地である。水窪(みさくぼ)近くで国道に合流し、水窪川に沿う。大井橋から左折して、天竜川の河岸を南下する。道中、秋葉ダムで堰き止められた秋葉湖も見られたが、正直なところ、随分退屈な風景だった。道中が長くて、少々疲労気味だったのかも知れぬ。秋葉神社への分岐点、案内板も確認したが、車中から黙礼する。
横山町で県道295号に入り、県道9号線に出る。熊(くんま)に出たが、樹木の密生する地域で、T字路はどちらに行けば良いのか分からず、困ってしまった。幸い左に進むと女子学生らしい人と出会い、渋皮温泉の所在を教わった。信号を農道らしい細い道に入って、漸く渋皮温泉の旅館に到着した。外はもう暗かった。遅い夕食と入浴、宿泊客は私達が一組だった。
明けて最終日は、長篠から豊川稲荷に参詣し、吉良、常滑から桑名を通って帰宅した。初めての秋葉街道訪問は、その険しい地形、旧い歴史と文化を引き継いだ秘境であることを多少は認識することが出来たと思うが、多くの見落としがあったことは事実である。この先、何度かの訪問によって、その穴埋めをしてみたい。
写真は上から 小渋温泉付近より小渋川
宗良親王在住跡
御所平より
地蔵峠
地蔵峠より蛇洞沢林道を経てしらびそ峠への道
しらびそ峠
下栗の里
どうしてたくさんの車がいまだに高速道路の料金所で
「現金」で払っているんだろ?ETC使えばいいのに。
・・・なんて思った事ありませんか?
我々には一般的なETCカード。
割引もあるし、料金所の渋滞も関係なし。
4/1からの首都高速値上げもETCを使えば割引になるから
ETCユーザーにとってはうれしいニュース。
ところが法人名義のETCカードとなると話は違ってきます。
法人契約のETCカードはクレジット会社の審査が厳しく、
個人のように簡単にはカードを発行してくれません。
法人契約では個人のクレジットカードのように
ETCカードを簡単に作れず、 困っている会社がたくさんあるのです。
それを解消するのが「高速情報協同組合」の法人ETCカードです。
高速情報協同組合はクレジット審査が通りにくく、
ETCカードがなかなか持てない新設会社の味方です。
新会社だからこそ経費削減したい!
法人ETCカードを使えば経費削減!
しかもかなりの太っ腹!複数枚の申し込みもOK!
一度気軽に申し込んでみては?

コメント