皆さんこんにちは。南大阪在住、ブログの管理人「カズ」です。暫く父の旅行記を取り上げず申し訳ありません。久々の登場です。父の旅行記は遠方のものが多いのですが、近隣の場所をエッセイ風に記載したものがあります。今回はその中から選びました。古市は大阪府羽曳野市の中心地です。今回が最終回です。
古市駅の南側で線路は長野方面と吉野方面に分岐するので、踏切は東西に長い。駅の東側に白鳥神社の小さな森がある。元々軽里地区の伊岐谷にあったらしいが、戦国時代の兵火や大地震で衰退し、江戸時代末期に現在地に移されたと言われる。日本武尊(やまとたけるのみこと)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祭神としている。
白鳥神社
竹内街道は東に向かって石川を渡り太子町に入っていく。駅前から東側の街道は商店街となっているが、この地区は凝縮された街と言えるかも知れない。街道に沿って家々は全く古いものである。古いといっても昔からというものでなくて、おそらく終戦後に立て替えたもののようである。白鳥神社に入る鳥居の横に自転車置き場がある。電車を利用する人達が多分ここを利用しているのであろう。役所の古手と思われる年配者が、2名番人である。幾ばくかの料金を市が徴収して、この人たちの失業救済をしているのであろう。昼間は退屈この上ないという顔をしている。向いに小さな本屋とスーパーがある。ほんのちょっとした買物に利用されているようだ。新しく内装したパーマ屋がある。客はいなかった。
東へ少し行くと東高野街道と交差する。昔は随分賑わった場所であろう。昔街で見かけた洋服屋がある。女学生の制服がマネキンに着せられて店頭に立っている。中には背広の上衣が何着か着飾ってある。今ではこんな店は殆ど見かけなくなった、珍しい米屋がある。現在米屋と言えば、10㎏、5㎏と袋入りした商品が積んである。店の間口は少しくらい広くなっているが、この店は間口の半分がたこ焼きの店である。米と酒なら少し理解出来るが、米とたこ焼きでは少し奇妙な感じがする。昔荒物屋と呼んだ金具店には、種々雑多な品物が並んでいる。楕円形の湯たんぽは珍しかった。今時こんな品物を製造するところがあるのかと不思議にさえ思う。
古い商工会館の建物がある。角に「右 ふじひでら」「左 とんだばやし」等と刻された石の道標が立っている。すぐ近くに少し規模の大きなスーパーがある。買物客の自転車が店の前に並んでおり、向いには10台程度駐車できるスペースがある。スーパーの前には沢山な果物が籠に入れて並べてある。店の中を覗くと大抵の店がそうであるように、周辺と中央に幾つかの列をつくって、行儀良く品物が置かれている。手前入口側はレジが並んでいる。東へ少し行くとお寺があり前に地蔵様がお祀りしてある。年配の女性が両手を合わせていた。道幅は車が行き交えるのかと疑うほどの狭い道である。
仕舞た屋も少なくない。自転車屋、クリーニング店、花屋、何でもありの400~500㎡ぐらいの狭いところに押し込まれて店を開けている感じがする。西琳寺(さいりんじ)西念寺(さいねんじ)に通じる道も道幅は狭く、道路に沿って長屋が続く。まるで迷路のような道の奥に多くの人の住居がある。
人それぞれにどのような場所ででも生活を楽しんでいるのであろうか。それにしても古い住居も新しい住居も古い店屋も新しい店屋も、竹内街道に沿った古市は、どうみても凝縮された街だと思えるのだが。
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