皆さんこんにちは。南大阪在住、ブログの管理人「カズ」です。九州各地で、被害に遭われた方にお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復興を祈念いたします。長野県の遠山郷、秋葉街道シリーズの7回目です。この文章の最終の奥書は2010年4月1日となっています。なお、毎回、申しておりますが、父親が過去記録した旅行記を息子の私がブログという形で皆さんに公表しています。現在と状況が変わっている可能性があることをご了解ください。

9月1日、私達は南アルプス林道を利用して、終点北沢峠まで足を踏み入れる。このコースは南アルプスを横断して、原生林を縫い、北沢峠を越えて、山梨県芦安村に到る。バスは北沢峠が終点であり、大自然のパノラマ、鋸岳、甲斐駒ヶ岳、仙大ヶ岳等への登山道入口となっている。私達は登山の意思は無いが、険しい山の稜線、深い渓谷の雄大な姿を間近に望見し、素晴らしい大自然に接することが目的だった。幸い天気は上々である。バスは仙流荘の前から乗車できる。部屋の窓外には、原生林の続く谷間に遙かに長谷村が見える。早々に準備して、8時25分発のバスに乗り込む。
戸台川に架かる戸台大橋から先は、車輌は通行止めとなっており、長谷村営バスの専用道路である。大橋までは約10分。川沿いの舗装された比較的広い道路である。アルプス林道に入ると、次第に道は狭く、カーブが続く。乗客は私達の外に登山客も多く、ほぼ満席に近い。荷物の大きな人もいるので、人員だけで一杯というわけでもない。中年の女子添乗員もいて、随所で山々の説明もしてくれる。会社の同僚が、この日駒ヶ岳へ登山しているらしく、バスと登山客で無線の連絡をしている様子である。時々、通話の声も聞こえる。山崩れで大きな口を開けた跡が見える。前方左に標高2,965メートルの甲斐駒ヶ岳、鋸山等の雄姿が見える。やがてバスは歌宿に到着。9時15分である。暫時小休止。直ぐ前方は峨々とした岩稜を連なる鋸岳(2,675メートル)の雄姿である。歌宿は小さな平地で山岳部の展望所になっている。この時期、ススキが穂を揺らしている。
9時35分、村営バスは北沢峠終点に到着した。乗客はそれぞれに散っていく。私達の予定はこのバスを利用して下山するのである。バス停前に売店もあるが、乗務員のすすめに従って、バスのUターン場所まで同乗させてもらった。峠から少し道を下るのであるが、山の景色は素晴らしいの一言に尽きる。この選択は正解だった。切り立った大岩壁と千仞の谷、一瞬吸い込まれるのではないかと怪しむほどの迫力に満ちた山容に出合うことが出来た。そして、東駒ヶ岳と摩利支天の並んだ姿、それは神々しくさえ見える。大自然を創造した神々に対する畏敬と恐懼を感じずにいられない。天候に恵まれ好条件であったが、これ程、尊厳な景色に遭遇した憶えはない。感動を心に秘めて、高地北沢峠を後にする。峠の出発は午前10時、仙流荘へ10時50分の到着だった。小さな売店があって「おやき」を購入、味も良かった。
仙流荘の駐車場に停めた愛用のファミリアは11時18分の出発。市野瀬の集落に出て給油。柏木の孝行猿の資料館に向かう。(管理人注 資料館は2010年に長谷の南アルプス生涯学習センターに移管)昔、小学校の修身の教科書にあった孝行猿の舞台であって、主人公勘助さんの宅でもある。屋根に石の並んだ民家に、資料館の表示があった。
さほど遠くないところに、宇津木集落があり、薬師堂がある。ご本尊は僧行基作という薬師如来で、唐門入母屋造りは立派な建物である。
平家落人の集落と伝える標高1,200メートルの「浦」も人里を離れた山中の故か、過疎化が進んでいるようだ。この地からは、3,022メートルの仙丈ヶ岳や、3,047メートルの塩見岳を望むことが出来る。私達は、ざんざ亭で資料をもらった後、鹿嶺高原に行った。仙丈ヶ岳の雄姿が手を取るほど近くに見える。又、頭を返すと伊那の街と中央アルプスの山脈を遠望する。爽やかな高原で一時を過ごした。
この後、私達は伊那の街に出て、更に中央アルプスの山裾、伊那谷の一軒宿、南沢鉱泉に宿泊した。伊那から木曽へ米を運んだという古道「権兵衛街道」に近いし、往時はこの鉱泉が旅人に利用されたのかも知れないが、行って見て解ったことは、本当に山奥深いところの一軒宿だった。静寂で旅の疲れを癒やせる最高の湯と言えるかも知れぬ。屋外は渓流に架かる一本の細い吊り橋が見える。少し危険なのであろう。通行は禁止されているようだった。宿は年配の主人と婦人だけのようで、主人は別に伊那市街で骨董店を営んでいるらしく、名刺を頂いた。2人だけの宿泊者だったので、権兵衛峠のことなど話を聞くことが出来た。
旅行は割合天気に恵まれて、存分に山の風景を楽しむことが出来た。

写真は上から 南アルプス林道北沢峠へ 長谷村方面

       南アルプス林道北沢峠へ バス席より

       甲斐駒ヶ岳

       甲斐駒ヶ岳 ②

       鋸山

       東駒ヶ岳(左)と摩利支天(右)

       孝行猿資料館 勘助の家

       薬師堂

       浦より仙丈ヶ岳

       鹿嶺高原より仙丈ヶ岳

       鹿嶺高原より伊那 中央アルプス方面
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